仕事観について

突然ですが、皆さんにとって「仕事」とはどのような存在でしょうか。

どうもRです。暑くなってきましたね。

さて今回はくそ真面目なタイトルから突拍子も無いオープニングで幕を開けました。

私は現在流離のスーパードクターになるため絶賛勉強中なのですが、なぜ医者を志したかについては以前の記事でお伝えしました↓

医師を志した理由

この記事の中で私が大切にしている仕事の考え方として、「やりたいことよりもできること」を重視するということを述べました。やりたいことを追い求めないというのは一部の大成功者や夢追い人の皆様から批判されてしまいそうですが、このような思考が根付いたのには理由があります。ご興味のある方はお付き合いください。

負けっぱなしの人生

私の思考の源泉を一言で表すとこれに尽きます。自伝小説を著すなら「敗北の多い生涯を送ってきました。」と恥を忍んで大文豪のパクリからスタートさせるでしょう。

やりたいことをやって悉く敗北する中で、「どこのフィールドなら自分は勝てるんだ」ということを無意識に考えるようになっていたんです。

これは言い方を替えると、「人に恵まれた人生」とも言えます。私の周囲には学生として、アスリートとして、ビジネスマンとして、人間として本当に優秀な人が多く、私は幾度も彼らから引導を渡されてきました。そんな敗北の歴史を簡単にご紹介していきます。

サッカーでの敗北

まあこれは夢見るサッカー少年の99.9%以上が経験するごく平凡な話です。私は小学校低学年の頃からサッカーに打ち込んできました。自分なりに一生懸命練習して、地元ではそこそこの実力でした。将来は全国高校サッカー選手権を見てファンになった某地方工業高校に進学して選手権のスターになることを目指していました。しかし中学二年生の頃、練習のしすぎか体の使い方が悪かったのか、腰椎分離症+腰椎椎間板ヘルニアを抱えてしまい、以降の選手生活で常に悩まされることになります。パワプロのサクセスなら即リセットです。爆弾を抱えている状態で長く選手を続けることの限界を感じた私はサッカーで高校に進学することは断念せざるを得なくなりました。

というのは建前で、それ以上に私は選手としての限界を感じていました。上には上がいるというのは良く言った物で、小学生時代に神童扱いされてJリーグの下部組織に入団した地域のヒーローが、チームでは泣かず飛ばずという話を聞いて自分が戦えるフィールドではないということをなんとなく察していました。ですので、怪我はショックだった一方でサッカーを諦める口実ができたと内心ホッとする自分がいました。

その後猛勉強し某大学附属高校へ進学するのですが、高校まではサッカーを続けました。そこでも怪我の影響が0ではなかったのですが結局は実力不足でレギュラーはおろか最後はベンチにも入れませんでした。正直怪我があってもここなら余裕でレギュラーだろうとなめていたのですが、勉強もサッカーも真摯に打ち込む部員たちに見事に敗れました。何より思い出深いのが、高円宮杯という高校・ユースが集う高校年代最強チームを決める大会を観戦に行ったときの記憶です。某Jリーグのユースチームと高体連の強豪が激突した試合で、なんと前述した地元のスーパースターが出場していました。しかし、当時最強と謳われた対戦相手に手も足も出ず、スーパースターは相手のエースに股抜きをされるなどはっきり言って遊ばれていました。「恐ろしい世界だ」という絶望感と「この世界に深入りしなくて良かった」という安堵が入り混じる感情を今でも生々しく覚えています。

ラクロスでの敗北

高校まで打ち込んだサッカーに諦めという名の別れを告げ、大学生になった私は、学問に打ち込むような気概は無く、かといってサークルに入って綺麗な女子大生とワイワイするいわゆる華のキャンパスライフというものにも特に魅力を感じず、やはりアスリートとしてもう一度勝負したいと考えていました。そんなとき出会ったのがラクロスです。弊学のラクロス部は国内でも屈指の強豪で、社会人を含めた日本一を目指せる環境に強く惹かれました。サッカーで言えば天皇杯優勝を目指しているような物です。そんな途轍もない目標を現実的に目指せるラクロスという世界は、アスリートとしてのある意味最後の勝負の場としてこの上ないフィールドであると感じました。

入部してから、私は自分が持てる時間の全てをラクロスに費やしました。その結果二年生から試合に出場し、三年生ではほとんどの試合をスタメンで出場するまでになりました。ちょっとチヤホヤもされていつもの自分なら調子に乗る所なのですが、この頃からなんとなく自分の選手としての限界を感じ始めていました。

四年生になり、勝負のラストシーズン序盤。ここまで我慢していた爆弾がついに爆発してしまいます。歩くのも難しいほどの腰痛に襲われ、長いリハビリを余儀なくされます。この年チームは学生日本一に輝きますが、私はいてもいなくてもほぼ戦況に影響を与えない一ベンチ要員として最後のシーズンを終えました。周囲の人は「怪我が残念だった」とか、「怪我さえなければ」と言葉を掛けてくださいますが私はそうは思いません。仮に怪我が無くても私はレギュラーを追われていたでしょう。私は自分なりに努力していました。しかし周りはもっと努力していた。それだけの話です。自分の適性を考えずただカッコよさに惹かれ、やりたくて始めたラクロスでしたが、個人としてはまたしても大した選手にはなれませんでした。

社会人としての敗北

アスリートとして完全に引退(コーチ活動は継続)した私は挑戦の場を社会に移します。某メーカーのMRとして働きました。MRというのは一言で言えば医薬品の営業職です。ここでも私は様々なバックグラウンドを持った優秀な同期、先輩、後輩に恵まれます。学生時代から人前で話すことに慣れていた私はプレゼンスキルに関しては自信があり、研修でもそこそこの成績でした。しかしMRという仕事はプレゼンスキルのみが求められるわけではなく、むしろ活動のほとんどは医者や薬剤師、看護師との1対1の面談であり、日頃のコミュニケーション能力が非常に重要です。

もちろんこの点に関しても自分は及第点は取れていたと思います。営業成績もどちらかと言えば常に良い方でした。ただ、ここでも凄まじい能力の差を見せつけられることになります。自分より医学の知識は遥かに少なくプレゼンも下手なのになぜか得意先から好かれて売れまくっている「人の懐に入り込む天才」や、相手の趣味、出身、家族構成、一日の行動パターン、いつ機嫌が悪くなりやすいか等を徹底的に分析して欲しいときに欲しい情報を提供する「準備の天才」など、これは勝てっこないという営業マンが周りに多くいました。このまま営業の天才達と同じフィールドで戦っていても一生勝てないと思うようになりました。

社内だけでなく、別々の道を進んだ高校、大学時代の同期の話を聞いても、社会人としてこのままでは置いてかれる一方という危機感を感じました。海外の大学で講師になったやつ、アメリカの超名門大学にMBA留学に行くやつ、弁護士としてバリバリ働くやつなど、本当に凄まじい仲間に恵まれました。この仲間のおかげで私は「俺が戦うべきフィールドはどこだ?」と無意識に考えるようになっていたんです。

敗北から現在の戦いへ

上述の通り、今の自分があるのは多くの敗北の歴史があるからです。私の考え方には当然賛否のご意見や疑問があると思います。

先日この話をした元部活同期からは「社会人として及第点で評価もされていたら満足しちゃっても良いと思うけどなぜリスクを取って医者という道を選んだのか」聞かれました。自分が逆の立場でも聞くであろうご尤もな質問です笑

残念ながらこの質問に対するロジカルな回答を私は持っていません。私はどこまで行っても勝負師なんだと思います。いつまでも勝負の世界で呼吸していたい、ただしどのフィールドで勝負するかは自分の適性を徹底的に分析して決める。これを追求した結果が今の道なのではないかと思っています。

スティーブ・ジョブズのように仕事は好きなことでないと嫌という方もたくさんいるでしょう。その考え方は非常に立派だと思います。好きなことをして食べていけたらどれだけ幸せだろうとも思います。ただ、私には好きなことで勝ち抜いていける才能と運がありませんでした。好きなことはお金をもらってやるのではなく、趣味としてお金を払ってやろうというのが私の考えです。

人と比べすぎではないか?というご意見もあるかと思います。これも当然理解できるご指摘なのですが、私の中の解釈は若干異なる物で、自分の中では真に戦うべき相手は自分自身という気がしています。様々な世界で力の差を他者に見せつけられたとき、「自分なんて劣っている人間だ」というよりは「自分のMAXの努力で勝てるかどうか。勝てないならここで戦うのは諦めて違うフィールドを探そう」と感じるんですね。表現が難しいのですが伝わりますかね笑もっと端的に言うと、自分が戦うべきフィールドを考え抜く中で、ライバルの能力を判断の要素として取り入れているというイメージでしょうか。今はやっと見つけた舞台で日々がむしゃらに己と戦っているという感じです。この舞台でなら自分に打ち勝ちさえすれば周りに負けることもないだろうと自信を持って言えます。

今回は私の仕事観という恐らく誰も興味の無いであろう話題を熱く語ってきました。最後はとりとめのない駄文となってしまいましたが少しでも何かを感じてくださる方がいれば幸いです。

それでは。

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仕事観について” に対して1件のコメントがあります。

  1. 38 より:

    素敵だと思います。
    努力ができる天才って人の気持ちがわかるし、道筋も知ってる。人に頼られた時に助けてあげられる。心から寄り添ってくれるお医者さんがいたら、嬉しいです。そう思います。

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